想像力:考えうる様々な災難に対して、備えておくべき
私が見た未来 完全版
たつき諒

予知夢をどのように解釈すべきか
「私のマンガや言葉に、多くの人が目を向けてくれています。だとすれば、今後起こるかもしれない災害への警鐘を鳴らすことによって、被害を最小限に抑えることができると思うのです。
私の防災意識も変わりました。自宅周辺のハザードマップを確認したところ、江戸中期の大津波を軽視していて、想定が甘いことがわかったのです。さらに調べると、その時の洪水で、今もある神社が1キロほど移動していたことも知りました。
こうした事例は、日本全国にあるでしょう。皆さんには、自分の住んでいる地域の地形の特徴や過去の災害を自分で調べた上で、しっかり備えてほしいのです。想定を超える災害があれば自宅が埋まる、といった危機が潜んでいるかもしれません。また、熱海で昨年起きた伊豆山土砂災害のような人災も考えられます。
いずれにしても、考えうる様々な災難に対して、備えておくに越したことはないはずです。いざという時「やっておいてよかった」と言うことはあっても、「やりすぎだ」と苦言を呈する人はいないですからね。」
たつき諒
著者は、1954年12月2日生まれ、神奈川県出身。横浜在住。1975年、『月刊プリンセス』(秋田書店)でデビュー。著書に『人形物語』『時の中の少女』『水色の航空書簡』『タージ・マハル廟のある町』ほか。『私が見た未来』は1994~98年に雑誌『ほんとにあった怖い話』および『恐怖体験』上に掲載された漫画をまとめたもので、99年に朝日ソノラマより単行本化。
同99年、漫画家を引退。『私が見た未来』の表紙に「大災害は2011年3月」と書かれていることから、東日本大震災を予言した漫画家として注目を集めることになりました。
新刊 私が見た未来 完全版
「目次」は、以下の通りです。
「完全版」刊行にあたって(飛鳥新社編集部)
第Ⅰ部 予知夢編夢のメッセージ
(初出’95年スコラ『恐怖体験』VOL.9)
私が見た未来
(初出’96年朝日ソノラマ『ほんとにあった怖い話』9月号)
『夢日記』解説
なぜ夢日記を書き始めたのか
夢日記には何が書かれている?
表紙に書いた予知夢の真相①
「大災害は2011年3月」と描いた理由
表紙に書いた予知夢の真相②
ダイアナ妃の死
表紙に書いた予知夢の真相③
富士山大噴火
表紙に書いた予知夢の真相④
荒れて日々の入った大地
表紙に書いた予知夢の真相⑤
私の葬儀は白っぽい服だとよい
漫画家時代の話
幼少期の不思議体験
漫画家を辞めた理由
インド旅行が大きな転換点になった
漫画の中で描いた大津波は
2011年3月のことではない
2025年7月に起こること
大津波の後に訪れる新たな世界
第Ⅱ部 ミステリー漫画編縁の先
(初出’97年朝日ソノラマ『ほんとにあった怖い話』11月号)
ちいさなカラの中
(初出’83年東京三世社『SFマンガ競作大全集』17)
浮遊霊
(初出’95年スコラ『恐怖体験』VOL.12)
地下街
(初出’92年講談社『月刊少女フレンド特別編集号』9月号増刊)
冥界の壁
(初出’95年スコラ『恐怖体験』VOL.19)
もうひとりの自分
(初出’95スコラ『恐怖体験』VOL.14)
闇の中へ・・・
(初出’95スコラ『恐怖体験』VOL.5)
そんな馬鹿な
(初出’89マガジンボックス『月刊パンドラ』7月号)
雨月物語
(初出’89マガジンボックス『月刊パンドラ』8月号)
作者あとがき
飛鳥新社編集部による「『完全版』刊行にあたって」の冒頭には、「『1999年7月に人類滅亡の時が訪れる』と予言し、日本中に一大ブームを巻き起こしたノストラダムスの終末予言が何事もなく過ぎ去ろうとしていたころ、その漫画本は出版されました。タイトルは『私が見た未来』。
作者の名は、たつき諒。表紙に『大災害は2011年3月』という予言を描いたこの作者は、この作品を最後に、ひっそりと漫画家を引退しました。しかし、出版から12年後の2011年3月11日に東日本大震災が発生したことから、一躍注目を集めることになったのです。この出来事は都市伝説ではなく、紛れもない事実です。『私が見た未来』はすでに絶版となっており、その希少性からオークションでは10万円超で取引されるなど、まさに“幻の予言漫画”となったのです」と書かれています。
この「完全版」には作者の「新たなる予言」が収録されています。本書収録の「『夢日記』解説」の「2025年7月に起こること」に、作者は「その災難が起こるのは、2025年7月です。私は空からの目線で地球を見ていて、Google Earthと同じといえばわかりやすいかと思います。突然、日本とフィリピンの中間あたりの海底がポコンと破裂(噴火)したのです。
その結果、海面では大きな波が四方八方に広がって、太平洋周辺の国に大津波が押し寄せました。
その津波の高さは、東日本大震災の3倍はあろうかというほどの巨大な波です。その波の衝撃で陸が押されて盛り上がって、香港から台湾、そしてフィリピンまでが地続きになるような感じに見えたのです」と述べています。
発生源の場所からすると南海トラフのようですが、作者が予知夢で見た災害のスケールは南海トラフ地震をはるかに上回っているようにも思えます。
ちょっと話はややこしいのですが、作者たつき諒氏の偽者が現れたことによって、今回の復刻出版は実現しました。多くの関係者や読者を騙した偽者の罪は重いですが、ある意味で、幻の書となっていた『私が見た未来』を再び世に出すというミッションがあったようにも思えます。
その偽者は、2021年8月20日に富士山が噴火するとSNSなどで予言していました。この予言にネット上は大騒動となり、1999年刊行の単行本には10万円以上のプレミアがつき、この予言書の復刊を進める出版社が現れたという次第です。ご存知のように、今年の8月20日に富士山は噴火しませんでした。
しかしながら、富士山の噴火に備える「ハザードマップ」が今年17年ぶりに改定されています。最新の研究では、従来予想の2倍の規模の被害が出るといいます。富士山大噴火が起きた場合、日本は未曽有の災害に見舞われるでしょう。
作者は、幼少期から不思議な体験をしてきたようです。一番幼い時の不思議な体験は9歳の時で、風邪をこじらせ寝込んでいる間に、宇宙からの視線を感じたそうです。空を見ると、白髪で白く長い髭をたくわえ、白い服をまとった一人の老人が座って笑顔で見ていました。「もしも神様がいるとしたら、こんな感じなのかも」と思った瞬間、「懐かしい」「親元へ帰りたい」という思いが湧いてきて、涙が溢れたそうです。
また、自身の前世をインドの聖人として知られたサイババの娘であると語っています。1998年、漫画家を辞める最後の年にインドへ渡ります。大津波の夢を見たのもこの時だそうですが、そのときにサイババの娘であったことを思い出しました。
前世で作者の父だったサイババは、イギリスの新聞記者でした1800年代、家族で取材先のクウェートに転勤したそうですが、娘であった作者がクリスマス・イブの日にマラリアにかかって12歳で亡くなったといいます。
本書の「作者あとがき」で、たつき氏は「1996年当時、『ほんとうにあった怖い話』編集部の『読者の体験談募集』宛には、『大津波の夢を見た』という投稿がたくさんあったそうです。私と同じような予知夢を見た人は、実はたくさんいるのだと思います。
『予知』は『警告』です。
『避けられる』から『見せられた』。
『災難を避ける』
『災難を小規模にする』
手段があるということだと思います。夢を見た日が現実化する日ならば、次にくる災難の日は『2025年7月5日午前』ということになります。
本書が、その心構えのきっかけになってくれることを祈っています」と。。。